- 白内障の手術はどのような手術?
- 白内障を手術しないで放っておくとどうなるの?
- 白内障手術後に起こる後発白内障
- 乱視がある人の白内障手術
- 過去に屈折矯正手術をした人の白内障手術
- 眼内レンズの種類
- 白内障のセカンドオピニオンについて
- (他施設で白内障手術を受けられた人へ)白内障手術後の視力を改善する方法
- 遠谷眼科の白内障手術
- もっと詳しく知りたい方はこちら
白内障の手術はどのような手術?
窓ガラスが白く曇ったときは、ガラスをきれいに拭けば外の景色が見えるようになります。
私達の眼でも同じようなことをします。
どのようにするかというと、超音波の力で1秒間に何万回も振動する手術器械を使って、白く濁った
水晶体を細かく砕いて吸い取るのです。
外側のぶあつい皮をむいた後のみかんの一袋の、さらに中に入っている果肉を出してしまうような
感じです。そしてみかんの果肉を取り出した後に残った薄くて白い皮袋のようなものが、
私達の眼でいえば眼の中に残っている水晶体の袋(水晶体囊)になるのですが、その袋の中に人工の透明な眼内レンズを入れます。
そうすると、それまでは濁っていた水晶体の中身が取り出されて、透明な人工の眼内レンズに
おき替わるために、曇った窓ガラスがきれいになるのと同じような感じで、ものがよく見えるように
なります。
これが白内障手術のしくみです。遠谷眼科で白内障を受けられた患者さん(手術当時82歳)が、
片眼の手術を終えた時点で、白内障手術をこれからする眼と、手術が終わった眼の見え方を比較して、
その違いを絵に描いてくださいましたので、ご覧ください。


白内障を手術しないで放っておくとどうなるの?
白内障の手術は、簡単に終わると誤解をされている患者さんも多いのですが、
10人に1人は難しい眼の人が必ずいます。
そして、それは手術の前からわかっている人の場合もありますが、手術中に、初めて難しい眼の人だと
わかる人もいます。
もしご自分が白内障にかかっているかなと思われたら、一度早めに検査と診察を受けてください。
白内障になっていない方の眼で見えるからといって、白内障になっている方の眼を手術しないで
放っておくと、病気が進んで最後には失明の危険さえでてきます。
ですから、誰でも手術を受けるのは痛そうでこわいと思うのですが、どうか白内障が
ものすごく進行しないうちに、手術を受けるようにしてください。
白内障手術後に起こる後発白内障(白内障手術後、また視力が落ちてくる病気)
白内障手術をしても、1~2年後に、眼内レンズを入れた水晶体の袋の後側(後嚢)が濁ってきて、
またものが見にくくなってくることがあります。
これを後発白内障といいます。視力が落ちてきたら、後嚢にレーザーを使って穴をあけて濁りをとる
手術をすると、またよく見えるようになります。
この手術は、普通の診察室で椅子に座ってできる、数分で終わる手術です。
時々、白内障手術をしたのにまた視力が落ちてきた、自分が受けた白内障手術は失敗だったのではないかと
非常に心配されて来られる人がいらっしゃいますが、後発白内障という病気のせいで視力が
落ちている場合が多いです。
ただ、手術後まだ数日、あるいは数か月しかたっていないような時に視力が落ちてくると、眼内炎という
失明につながる可能性のあるこわい病気にかかっている可能性もありますから、病気を特定するために
できるだけ早く医師の診察を受けてください。
後発白内障になった患者さんの眼(少し白く濁ってきています)

後発白内障をレーザーで治療した患者さんの眼(白い濁りをとりました)

乱視がある人の白内障手術
「お友達は、白内障手術をしてよく見えるようになったといわれるのに、自分はそれほどだとは思わない、
どうしてだろう」と悩んでいらっしゃる人が少なくないようです。
こういう場合、乱視を矯正すればよく見えるようになることも結構あります。
日本では、白内障手術とともに乱視も矯正していくということは、一部の施設を除いては
あまり行われていませんが、アメリカやヨーロッパでは、より質の高い視力を目指して、
白内障手術とともに乱視も矯正していくということが積極的に行われています。
もとから乱視のある人は、乱視を矯正する機能がついたトーリックレンズ(日本では現在単焦点の
トーリックレンズのみ認可)を使えば、白内障手術後の見え方は一般的な単焦点眼内レンズを
入れるときよりも良くなります。
また、普通の単焦点眼内レンズを眼の中に入れて、それから乱視を矯正する手術をしても、同じように
視力は改善します。
白内障手術と同時に乱視の矯正手術を実施している医療施設は、日本ではそれほど多くはありませんが、
遠谷眼科ではレーザーを使うレーシック(LASIK)という手術やダイアモンドメスを使う
周辺部角膜減張切開術(LRI)という手術を行って、白内障手術後の視力をよりよくします。
白内障手術の後、乱視のために裸眼で0.2ぐらいの視力だった人が、費用もそれほどかからない
ダイアモンドメスによる乱視矯正手術をした後は1.0ぐらいになった人もいますから、
どうかあきらめないでいただきたいと思います。
過去に※屈折矯正手術を受けている人の白内障手術
※radial keratotomy(RK)、photorefractive keratotomy (PRK), laser-assisted in situ keratomileusis (LASIK)など
— 手術後の視力測に誤差が大きく生じる理由と、その防止対策 —
屈折矯正手術を受けた人の眼は、角膜の表面がすでに変形しているので、白内障手術をするときに
眼の中に入れる眼内レンズの度数を計算するプロセスで、結果に大きな誤差が生じてくることが
わかっています。
眼内レンズの度数を計算するには、私達の眼のカーブ(角膜曲率半径)や眼の奥行(眼軸長)などの
さまざまなデータが必要なのですが、今の最新の科学技術を駆使した検査器械をもってしても、
私達の眼の寸法を全く誤差なく測定するということはできません。
屈折矯正手術を受けていない自然なままの眼でも、眼内レンズの度数計算の結果には誤差がでてくることが
あるので、屈折矯正手術を受けて眼の形が大きく変わってしまっている眼では、その結果に誤差が
もっと大きくでるということは、ご理解いただけると思います。
この問題については、現在世界の著名な医師や工学博士が、眼内レンズの度数計算の精度を上げるために
いろいろな計算式を考案しています。
そして実際の手術データを検証し、その結果を毎年学会で発表しています。
ここ数年は、これまでの計算式と比べて誤差のでる範囲がぐんと狭まった、最新の有力な計算式が
いくつかでてきています。
それでもまだ、「どんな眼でもこの式を使えば、ほとんどぴったりはまる」という万能な計算式は
ありません。
ここ20年ほどの間に屈折矯正手術を受けた人々は、今度は白内障手術を受ける世代に
なりつつありますから、世界の検査機器メーカーも技術開発にしのぎをけずって、精度の高い眼内レンズの
度数計算ができるよう、研究開発しています。
屈折矯正手術を受けた人が白内障手術を受けるときは、どうしても起こる誤差をどれだけ小さくするか
ということを考えて、屈折矯正手術を受ける前の、自分のオリジナルの眼のデータをできるだけ
入手しておくことが大切です。
たとえ、過去の眼のデータを必要としない最新の計算式を使うという場合でも、計算には必ず誤差が
でるということが前提ですから、器械が自動的に計算してきた数値の信頼性がどのぐらいあるか
ということを、オリジナルの眼のデータとあわせて検討するほうがよいのです。
ここで、「その誤差が大きくでると一体どんな状態になるのか?」と思われる人もいらっしゃるでしょう。
もし、眼内レンズの度数の計算に大きな誤差がでてしまったら、実際に眼の中に入れたレンズの度数が
全然眼に合わないために、手術の後に予想もしないような遠視や近視になってしまうのです。
誤差の程度によっては、ものがよく見えないというような状態ではなく、急激な視力の変化に身体や脳が
ついていけないために、頭痛がしたり、吐き気がしたり、眼をあけているだけで気分が
悪くなってしまったりするような状態になる可能性もあるのです。
そうなると、今、眼の中に入っている、度数の合っていないレンズを取り出して、新たにその人の
眼に合う度数の眼内レンズを入れる手術をしないといけません。
レンズの入れ替え手術も、手術のリスクは白内障手術を受けるときとほとんど同じですから、患者さんは
失明につながる眼内炎にかかるリスクを2度も3度も負うことになります。
ですから眼内レンズの度数はできる限りうまく計算して、手術の繰り返しは避けたいのです。
白内障手術と屈折矯正手術は、視力を矯正するという点では目的は似ています。
しかし、手術や検査の方法が全く違います。特にRKを受けた患者さんは、角膜に入れた切り込みのため、
白内障手術の後も視力が大きく変動する可能性があります。
白内障が進んでしまった人の場合は、Aという検査器械では測定不能なので、別のBという器械で
測定しないといけない、そうすると、この部分の数字の精度は落ちるけど、そこはどう考えるか、
過去に使っていたコンタクトレンズや眼鏡の度数から、適切だと思われる数値を割り出していくか、
というようなこともしていきます。
その人の眼の状態から、器械が自動的に計算してきた数値にどの程度の調整を加えていくかということが、
手術の成功のためにはとても大切です。
屈折矯正手術を受けた人が白内障手術を受ける時は、より精度の高い眼内レンズの度数を選ぶため、
屈折矯正手術を受けた施設から、自分の眼のオリジナルデータをもらってこられることをすすめます。
そのようなデータがなくても眼内レンズの度数計算が全くできないわけではないのですが、
やはり計算の精度は落ちます。遠谷眼科ではオリジナルの眼のデータが全くない人の白内障手術も
これまでに実施していますが、やはり予想視力と実際の視力に誤差がでて、眼内レンズを入れ替える手術を
した人もいます。
「屈折矯正手術を受けた人の眼内レンズ度数計算の結果には、誤差が大きくでる」ということは、
国内・海外の学会でも常識になっています。
ですから、オリジナルの眼のデータがあればあるほど、もし屈折矯正手術を受けていなかったら
このような眼のはずだというデータのよりどころができるので、白内障手術の精度も上がると
考えていただいた方がよいでしょう。
眼内レンズの種類
眼内レンズにはいろいろな種類や製品があります。
簡単にいいますと、患者さんの眼の状態に応じて、球面レンズか非球面レンズか、透明なレンズか
着色レンズか、また、ライフスタイルやニーズに応じて、単焦点レンズか多焦点レンズか、
乱視を矯正する機能がレンズに加えられたトーリックレンズ(日本では、現在単焦点のもののみ認可)か、
いろいろと選べる時代になってきました。
どのレンズが絶対に優れているということはないのです。どのレンズもそれぞれの特性を
もっていますので、その特性と患者さんの眼の状態を考えて、総合的に一番その患者さんに合うだろうと
思えるような眼内レンズを使っていくことが大切なのです。
それぞれのレンズの説明は、詳しくするととても長くなるのでここではしませんが、患者さんが、
白内障の手術後の日常生活で、遠くは眼鏡なしで近くは老眼鏡をかけて見てもよいか、それとも遠くも
近くも眼鏡なしで見たいかで大きく選択が変わってくる、単焦点眼内レンズと多焦点眼内レンズについて、
選択のポイントをお話します。
<単焦点眼内レンズ>
これまでずっと使われてきていて、今でも世界の白内障手術の大半で使われている単焦点眼内レンズは、
レンズの焦点がひとつなので、画質はとてもきれいです。
焦点がひとつである分、レンズの焦点に合わない距離にあるものを見るときには眼鏡がいりますが、
「これまで老眼鏡をかけることに慣れているから、白内障手術をした後でも、近くのものを見るときには
老眼鏡をかけてもいい」という人には適しているレンズです。
<多焦点眼内レンズ>
2004年ごろから海外で使われ始め、日本では2007年に厚生労働省の認可が下りた多焦点眼内レンズは、
遠近両用なので焦点が二つあります。
焦点がひとつ単焦点眼内レンズよりも多い分、単焦点レンズよりも見える範囲は広くなるのですが、
レンズの構造からいって眼の中に入る光が分散されるために、画質は単焦点眼内レンズよりも
少し落ちます。
また、乱視が多いとレンズの機能が発揮されないので、乱視を矯正する技術をもたない施設では、
「多焦点眼内レンズはあなたには向きません」といわれると思います。
このような場合は、乱視を矯正すれば、多焦点眼内レンズも使うことができます。
多焦点眼内レンズの一番の欠点は、夜、街灯や車のライトがギラギラまぶしく見える、光の輪がかかって
後光がさしているようにモヤモヤ見えるという現象が起こることです。
ですから、画質が落ちる、光がギラギラ・モヤモヤするという点からは、精密な作業をする人や、
車を運転することを職業にしているような人の場合は、慎重に考えないといけません。
多焦点眼内レンズの構造からもたらされる、光の見え方の変化は、一般的には時間がたつとともに
脳が慣れて、気にならなくなるといわれています。
実際のところ、手術後の患者さんの話をきいていても、多くの患者さんは見え方の変化にスムーズに
順応されていると思いますが、やはり「全く気にならない」という人もいますし、「気にはなるけど
大丈夫」という人がいて、脳の順応の程度やスピードには個人差があります。
瞳が大きい、小さいというその人固有の眼の大きさによっても、眼から取り入れる光の量や方向が
違いますので、見え方は違ってきます。
多焦点眼内レンズを選ぶときには、日常生活や職業の内容をよく考えて、多焦点眼内レンズを使っても
大丈夫かどうかを手術前の検査で確認していくことが大切です。
ひとことでいえば、「画質は落ちてもいいから、白内障手術後は、とにかくできる限り眼鏡は
かけたくない」と思っている人には、多焦点眼内レンズは適しているかも知れません。
ただ、多焦点眼内レンズの費用には保険がききませんし、もともとレンズの価格が
単焦点眼内レンズに比べてとても高いので、コストパフォーマンスも考えないといけないと思います。
日本で認可されている多焦点眼内レンズは、
①屈折型のリズーム
②回折型のテクニス・マルチフォーカル
③アポダイズド回折型のレストア
があり、レンズの構造の違いから、それぞれが長所と短所を持っています。
ですから、多焦点眼内レンズといってもいろいろあって、どのレンズを使うかによっても手術後の視力の
結果が違ってきます。
遠谷眼科では、2007年から多焦点眼内レンズを使い始めていますが、他施設では「乱視が多いので、
あなたには多焦点眼内レンズは無理」といわれた患者さんでも、乱視を矯正する手術を加えることで、
多焦点眼内レンズを使うことができています。
海外・国内の学会報告によると、多焦点眼内レンズの手術後に、レンズによる見え方が患者さんに
合わなかったために眼内レンズを取り出したという報告が数パーセントの割合であるのですが、
遠谷眼科では多焦点眼内レンズを取り出して単焦点眼内レンズに入れ替えた例は今のところありません。
手術の前に、患者さんの体型や生活や眼の状態と、多焦点眼内レンズの性能が合うかどうかを
じっくり検討していることが、多焦点眼内レンズの取り出し例がないことに貢献しているのではないかと
思っているのですが、これには患者さんからの日常生活についての詳しい情報提供が、本当に大きなカギと
なっています。
多焦点眼内レンズを希望される患者さんは、一度ご自分の日常生活を朝から晩まで、どのあたりの距離を
よく見ているか確認してみてください。
遠谷眼科は2009年1月より、厚生労働省の定める先進医療66番
(多焦点眼内レンズによる白内障手術)の実施施設になりましたので、
多焦点眼内レンズによる白内障手術では、一部保険診療が適用されます。
自費診療部分:多焦点眼内レンズと手術費用の合計30万円(片眼)
保険診療部分:通常の白内障手術と共通する検査や診察などの費用
多焦点眼内レンズ(遠近両用眼内レンズ)による新しい老眼・白内障手術(2012年)はこちら
白内障のセカンドオピニオンについて
これまで来院された患者さんの実例では、「明日、白内障手術をしましょう」と突然言われて
不安に思って来られた人、また、これまで通っていた眼科では白内障手術が必要だと言われたけれども、
今の自分には白内障の自覚症状もないし、生活も不自由はしていない、本当に白内障手術が必要なのか
知りたい、といわれて来られた人などがいらっしゃいます。
「明日、白内障手術をしましょう」といわれて来られた患者さんは、診察をすると、数か月先の手術でも
全く大丈夫だった患者さんでした。
白内障の手術では、例外的に今すぐ手術をしないと手遅れになって失明するような場合は別ですが、
普通は「明日、白内障の手術をしましょう」といわれるようなことはありません。
なぜならば、眼を清潔にしていないまま手術をしてしまうと悪い菌に感染してしまい、眼内炎という失明に
つながってしまう可能性のあるこわい病気になることがあるので、手術前の眼は数日間かけてできる限り
清潔にしないといけないからです。
しかしこれだけ清潔にするよう努力しても、それでも患者さんの眼の中にばい菌が潜んでいることが
あって、日本では1,500件~2,000件に1件、眼内炎が起こっているといわれています。
ですから、どうしてその医師がその患者さんに「明日、白内障手術をしましょう」と言ったのか、
本当に不思議です。
また、自分は必要だと思わないのに、白内障手術をすすめられたという別の患者さんの場合も、白内障は
軽くて、今すぐに手術が必要というようなわけではなかったのでした。生活に不自由が生じるほど視力が
低下していれば、患者さんの側も自分には白内障手術が必要だと納得しやすいと思うのですが、
生活に不自由を感じていないなら、どうして手術をしないといけないのかと思うのは当然だと思います。
アメリカでは、ビンの底のようにぶあつい眼鏡をかけないといけないような、程度のきつい遠視の
人などは、たとえ白内障になっていない眼でも、眼内レンズを入れて視力を変えた方がよく見えるように
なるから便利だといって手術をする人も結構います。
でも、日本ではアメリカほど、度のきつい遠視の人はそれほど多くありませんし、また、病気がそれほど
進んでいないし、不自由も特に感じていないような、まだ十分大丈夫だと思えるような眼に手術をすると
いうことに抵抗を感じる人も多いのではないかと思います。
手術をする医師の側からいうと、白内障が軽い時期だと水晶体がやわらかくて手術がやりやすいので
(お餅が、やわらかい時は切りやすいけれど、固くなると切りにくいというのと同じようなことだと
思ってください)、手術が患者さんの眼に与えるダメージも少なくてすみますから、白内障が軽い時期に
手術をすすめるということにも一理あることはあるのです。
一般的には、白内障の進み具合と、手術が眼に与えるリスクがどのぐらいあるかということを考えて、
手術の時期を医師は提案すると思います。
もし、患者さんの側で、どうして今手術をしないといけないのだろうかと疑問に思うようなことが
あったら、迷わず医師に質問していただきたいと思います。
最近では白内障手術でも、いろいろな種類の眼内レンズをライフスタイルに応じて選ぶことができる
時代になってきましたし、白内障手術の後もいろいろな医療技術を使って、さらに視力を上げることが
できる場合もあります。
手術は多くの場合、一生に一度きりのものですから、患者さんの側も自分の眼の状態や受ける医療の内容を
よく理解して、納得した上で手術を受けることが大切だと思います。
(他施設で白内障手術を受けられた人へ)白内障手術後の視力を改善する方法
— 乱視矯正手術、眼内レンズ入れ替え手術、眼内レンズ縫い付け手術など —
「自分は白内障手術をしたのに、周りのお友達はみんな、手術後はよく見えるといっているのに、
自分だけよく見えない、白内障手術を受けた施設でいろいろ尋ねても、手術はうまくいっていると
いわれる、悲しい、どうしてですか?」と尋ねてこられる患者さんも、よくいらっしゃいます。
ある患者さんはそのために悩んで、体重がぐんと減ったそうでした。
また、ある患者さんは、「白内障手術をしたら、大好きな卓球がもっとよくできると楽しみに
していたのに、白内障手術をしてもよく見えない、卓球ができない、どうしたらいいのか」といって
来られました。
この患者さんたちに共通していたのは、白内障手術後に起こっている乱視です。
白内障手術のとき、レンズを眼の中に入れるときの切り込みが大きいと、乱視が大きく起こります。
ですから、白内障手術後に出た乱視を、ダイアモンドのメスで角膜の周りに小さな切れ込みをいれる
手術で軽くすれば、もっとよく見えるようになります。
ただ、この乱視矯正手術を実施している施設が少ないために、白内障手術後の乱視が矯正されないでいる
患者さんの場合は、裸眼視力が思ったほどよくならないという状況が起こるわけです。
趣味の卓球ができなくなってがっかりされていた患者さんも、乱視を矯正してまた元通り卓球が
できるようになり、とても喜んでいらっしゃいました。最近、乱視の矯正を受けられた患者さんの例では、
乱視を矯正する手術の前は0.2の視力が、手術翌日は1.0になっていました。
ほんのちょっとの手間をかけるだけで、視力はぐんと変わることがあります。
ですから、白内障手術の後に見え方がよくなくても、あきらめないでいただきたいのです。
乱視を矯正する例のほか、眼内レンズの度数が合っていない場合は、眼内レンズの入れ替え、
レーシックによる度数の矯正、眼の中に入れた眼内レンズの位置がずれていたり、眼内レンズが
外れてしまっていたりする場合は、眼内レンズの位置をもとに戻す手術や、眼内レンズを縫い付ける手術を
することもあります。
ただ、眼内レンズの入れ替え手術は、白内障手術の後、比較的すぐの時期(手術後半年以内)でないと、
眼内レンズが眼の中の組織にくっついてしまうので難しいです。
そもそも眼内レンズの入れ替えは技術的に難しいので、実施しない施設もあります。
そのような場合、患者さんはずっと合わないレンズを眼の中に入れたまま、一生我慢しつづけないと
いけません。
ですから白内障手術の後、眼の中に入れたレンズがどうも合っていないと思うようなことがあったら、
手術後数か月のうちに早く、眼内レンズを入れ替える手術を受けてください。
もし手術後半年以上たっていたら、眼内レンズは入れ替えずに、他の方法で視力を矯正する方が安全です。
ひとつだけ注意しておいていただきたい点があります。
それは、白内障は水晶体の病気なので、もし水晶体以外の眼の奥の場所に何か病気があったなら、
それは白内障手術をしても視力がよくならないことがあるということです。
患者さんの眼の病気によっては、その病気が治らない限りは白内障手術をしても視力がよくならないことも
あります。
白内障手術の後なのに、なぜか視力がよくならないと悩んでいらっしゃる場合は、眼の奥の病気のためか、
手術後の乱視のためか、眼内レンズの度数が合っていないために起こることが多いので、その原因を
確かめるためにも、手術後あまり時間が経過していない間に、検査と診察にお越しいただきたいと
思います。
遠谷眼科の白内障手術
遠谷眼科は1986年(昭和61年)に、最新で最適の医療を提供するという目標のもと開院しました。
白内障手術は累計で2万6千件を超え(1987年5月~2011年8月現在)、白内障の日帰り手術も
20年以上の実績を積んでいます。従来の単焦点眼内レンズによる白内障手術に加え、
多焦点眼内レンズによる白内障手術も2007年より実施しています。
多焦点眼内レンズは遠近の2点に焦点が合う仕組みの眼内レンズですが、手術後は多くの人がメガネを
あまり使わずに過ごしていることから、白内障の治療だけではなく老眼も矯正できるという点で、
世界で非常に注目されているレンズです。
2009年1月より、遠谷眼科は厚生労働省の定める先進医療66番「多焦点眼内レンズによる水晶体再建術」
(白内障手術)の実施施設となりましたので、多焦点眼内レンズによる白内障手術において一部保険診療が
適用されるようになりました。異なる種類のレンズを片眼ずつ入れる「ミックス・アンド・マッチ」
という方法も遠谷眼科では早くから実施しており、患者さんは、手術後の日常生活のほとんどを裸眼で
過ごされています。
遠谷眼科では、無菌状態に近い手術室、超音波の振動が眼に与える影響が少なくなるよう開発された
白内障手術器械、眼内レンズの度数計算の精度が高い検査機器、ステレオ同軸照明で繊細な眼の中も
くっきり見せる手術顕微鏡などを採用し、白内障手術の方法においても、世界中の白内障手術をする
医師達の基礎であるフェイコチョップ法(開発者:永原國宏先生、聖母眼科、香川県)、そこから応用して
開発されたプレチョップ法(開発者:赤星隆幸先生、三井記念病院、東京都)の両方を習得し、
日常生活に必要な情報の8割を得ている私達のかけがえのない眼に対して無駄な動きをしない、
「眼に優しい手術」を心がけています。また、国内の学会はもちろんのこと、アメリカやヨーロッパで
開かれる世界の眼科医が集まる学会にも毎年参加して、最新の情報を自分の眼と耳で確かめながら、
医療の質を高めていく努力を日々続けています。
もっと幅広く詳しい情報を知りたい人は、以下のページもご覧ください。
(学会の許可を得てリンクをつけています)
日本眼科学会のページ(白内障)
http://www.nichigan.or.jp/public/disease/suisho_hakunai.jsp
日本白内障屈折矯正手術学会のページ
http://www.jscrs.org/ippan/list_01.html(白内障とは)
http://www.jscrs.org/ippan/list_02.html(白内障手術)
http://www.jscrs.org/ippan/list_03.html(術中・術後の合併症について)




